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<生産・供給の状況>
供給業者へのアンケート調査によれば、竹筬の供給を行っていると回答した業者が3社あったが、これは、中古部品や中国からの輸入品と推測される。

産地への竹筬の供給状況
(出所)平成19年度「生産基盤の供給に関するアンケート調査」


       産地の需要に応じて十分な供給を行っている       3 60.0件数
       産地の需要に対し供給不足の状況にある         2 40.0件数


<生産に関わる業者、人材の状況>
・竹筬の製造は、昔は筬屋がすべての工程を行っていたが、その後に竹筬羽の製造と組立てが分業化され、近年は岐阜県が竹筬羽の生産拠点となっていた。岐阜県の場合、竹筬羽の製造はさらに分業化され、削り専門の職人と仕上げ専門の職人に分かれていた。出来上がった竹羽を組み立てるのが竹筬屋である。その他、竹 筬の修理を行っている職人や業者がいる。
・竹筬羽の仕上げを担っていた唯一の職人である森助一氏が2003年に亡くなり、岐阜県の日本竹筬工業の竹筬羽生産が停止した。その結果、全国の竹筬屋の竹筬製造も停止したため、竹筬は入手できなくなった。竹羽を製作する人が途絶え、組み立てを行う職人(竹筬屋)も10年前に京都の名人が亡くなり、現在は一人(鹿児島の清永桂子氏)という状況になった。
<生産・供給システム>
昔は、それぞれの織物産地には多くの竹筬屋が存在し、地元の機料店などを通して織屋に供給されていた。現在はその生産・供給体制が崩壊し、リサイクルシステムによって供給されている。その他、織物糸の流通業者による中国等からの輸入も行われている。
※補足−金筬の状況
今、竹筬と同じ事が金筬でもおきようとしている。金筬を作っている筬屋の数は現在、最盛期の十分の一以下に激減している。その主要因は、日本で織物が作られなくなり、経営が成り立たなくなったことが挙げられる。その為、後継者もいなく、筬屋の多くは 60・70代という年齢でいつ廃業を決意されてもおかしくない状況にある。また、筬を作る材料屋も同様の状況にあり、リードワイヤー(筬羽)屋は次々と辞めてしまい、今では残り2軒(去年までは5軒)となっている。