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博多織七品目
- 1)献上/変わり献上
「献上」は経畝織りし、独鈷・華皿・縞の紋を「浮けたて」であしらう。「変わり献上」は平織りし、紋をアレンジする。
2)平博多
経畝織りの無地織物。
3)間道(かんどう)
縞織物。平織りの変化織り、または綾織り・朱子織り、あるいは綾織り・朱子織りの変化織による。
4)総浮(そううけ)
重ね織りし、浮けたてで紋をあしらう。
5)重ね織
紋を経糸で、または経糸と緯糸で表わす。
6)綟り織(もじりおり)
搦み織りし、浮けたてで紋をあしらうか、経糸と緯糸で表わすか、絵緯糸で表わす。
7)絵緯博多(えぬきはかた)
平織りの変化織り、または綾織り・朱子織り、あるいは綾織り・朱子織りの変化織とする。紋は緯糸で表わす。ただし平織りの変化織り以外では、絵緯糸は、経糸を用いて裏とじする。


久留米絣(くるめがすり)

寛政11年(1799)、井上 伝という女性が織りだしたと言われています。当時十二、三歳だった伝は、着古した着物の色があせ白く斑になる事を見て、 それを模様として織りだす事に工夫を重ねました。伝の織りだした新しい織物は「加寿利」と名づけられて市場で好評を得ていきます。伝は、当時産業の少なかった久留米近郊の人々にその技術を教え、広めました。その後、土地の人々による織機の 改良や、絵絣、小絣の技術開発などにより、久留米地方一帯は、明治時代には久留米絣の一大産業地となりました。久留米絣は、「大柄小柄絣・絵絣等」他に類のない特徴的な技術を持っています。 昭和三二年に国の重要無形文化財の指定を受けますが、第二次大戦後から伝統的な手仕事による織物の数は減少してしまい、化学染料染の機械織が主流となっています。然しながら、「本場久留米絣」には、手くびりによる絣糸を天然藍で染め、投杼 の手織機で織るという伝統的な技術が活かされています。 - 注 - 絣は、先染め織物の一種で、三大絣は、備後絣・伊予絣・久留米絣と言われています。糸の段階で括(くく)りによる絣糸を作って染色し、織り上げていく為、デザインに深みがあります。 絣図案を作り、経糸、緯糸ごとに整経、絣括り、織締めの 作業を経て、染色して作った絣糸を用いて、絣柄を手で合わせながら織り上げていきます。幾何模様や絵絣の細かな柄が多く、「 素朴さ」と「ぬくもり」を感じさせる織物です。