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奈  良


大和木綿(やまともめん)

奈良県は織物の歴史も古く、奈良時代には麻織物(奈良晒)が多数生産されて普及しました。 そして、綿織物も大和木綿として有名になって行きます。特に大和絣は、全国的に好評を得たとされています。

大和白絣(やまとしろがすり)


奈良県大和高田市で、板締め染色法により、白地に紺絣柄を織りだした木綿織物です。型染の様な絣柄を織り 出します。その発祥は、江戸時代の宝暦年間(一七五一〜一七六四)頃、浅田操が越後上布の紺絣を木綿に織りだしたのが始まりとされています。その後、工夫改良が加えられ、白地に紺色模様の白絣となりま した。明治時代まではさかんに生産されたが、最近は衰退し、生産が途絶えています。(中野白絣と並ぶ)


奈良晒(ならざらし)


昔、晒布(麻の白生地・生平を天日で晒し、自然漂白をする)のことを曝布と呼ばれていました。
曝布の歴史は古く、奈良時代には既に存在していました。奈良地方で奈良曝が生産されるようになったのは江戸時代初期の慶長年間、寛永年間の頃から、幕府の御用晒として、また礼服として需要が伸びました。 奈良晒の原料は苧麻です。青苧は会津・越後から、生平は近江・伊賀から購入し、奈良で晒して奈良晒として広まりました。現在では、糸は苧麻の手紡ぎ糸からラミー糸に変わり、生産量も少なくなっています。