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麻の種類と特徴

衣料素材の品質表示法では、「麻」と表示可能なのは亜麻（リネン）と苧麻（ラミー）のみで、綿・カポック　等の種子繊維を除く植物繊維と言われています。具体的には、亜麻・苧麻・大麻（ｵｵｱｻ）・イラクサ・黄麻（黄麻）・洋麻・芭蕉・バナナ・アパカ・パイナップル・葛・科・羅布麻・シザル麻（ザイル麻）・楮（ｺｳｿﾞｳ）・鴈皮・藤　等です。
麻は、人類が最も古くから利用してきた繊維で、自然発生的に世界各地で身近な植物から麻繊維を採取しています。そして、綿の普及・化学繊維の普及と共に淘汰されてきた麻も多数存在します。現在では麻は、亜麻・苧麻・大麻・黄麻　等数種類に限られます。淘汰されてしまった麻は、限られた地域で伝統工芸的に伝承されています。

また、麻繊維の共通した特徴としては下記になります。
１） 天然繊維の中では他の繊維に比べ、強力が最も大きく、且つ伸度が小さくなります。
２） 短繊維に中空が有り、水分の給排出に効果的です。
３） 繊維細胞や集合繊維の接着分として、ペクチンや一部リグニンも残留している事が粗剛さの原因となります。

棉の特徴

麻と綿は、植物の繊維を利用する点では同じですが、綿は種子繊維・麻は靭皮繊維（じんぴせんい）で葉梢繊維（ようしょうせんい）を利用します。
＊注　繊維の分類
繊維を大きく分類すると、天然繊維と化学繊維に分かれ、天然繊維は、植物繊維と動物繊維に分かれ、さらに、植物繊維を分類したとき、亜麻、苧麻、黄麻、大麻などの植物の茎からとる繊維のことを靭皮繊維といいます。細くてやわらかいのが特徴で、特に、亜麻と苧麻は、織物に適していています。葉鞘繊維は、葉の基部が鞘(さや)状になり、茎を包む部分をいいます。稲・カヤツリグサなど。

一般的に植物は、水と空気と日光により光合成を行いブドウ糖や澱粉を作ります。繊維素は、このブドウ糖が二つ連結した構造になっています。よって、繊維はブドウ糖が連なり糸状になったものになります。種子繊維の場合は、ほぼ１００％繊維で出来ています。（例：コットンボールはそのまま糸を紡ぐ事が可能です。
）しかし、麻の繊維は植物の茎や葉の中に埋もれた状態に有ります。従って、麻の場合にはまず埋もれた繊維を取り出す事から始めなければなりません。また、取り出した後でも繊維以外の多くの不純物を含んだ状態となります。この不純物が、麻を特徴づけるもので各植物により特徴的な性質を与える事になり、木綿が普及し麻が衰退した大きな原因とも考えられます。