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・製法の主な特徴 1)経糸は、精練染色した「片撚り糸」又は「諸撚り糸」を用います。 2)緯糸に「お召糸」という特殊な「強撚糸」の左撚り糸と右撚り糸を交互に織っていくのが基本的なお召の織り方です。 3)織り上げた後は「ちりめん」と同じように湯の中でもんで「しぼ」を出し、その後「湯のし」をして仕上げます。 4)「ちりめん」との違いは「経糸」の密度を比較的多くして、「緯糸」はちりめんの強撚糸ほど強くない糸を用いる為に腰があってしっかりしてます。「ちりめん」程柔らかくありません。 (基本のお召は「平織」です。) 「西陣お召し」 「先染めのきもの」の中でも、紬が節のある紬糸で織られるのに対して、お召しはつややかな絹糸で織られます。中でも西陣お召しは1mの糸に2500回転~2800回転の「より」をかけて織られ る事が多いので、別名「お召しちりめん」とも呼ばれます 「マジョリカお召」 新潟県十日町を中心として、昭和34年から約4年間にわたり生産されたお召し織の一種です。「マジョリカお召」は、織物は色数に制約があって派手ものができない欠点を、ヨコ糸をカスリ 捺染して紋の上にのせるという斬新なアイデアで華麗な多色使いに成功した画期的な織物です。 地中海のスペイン領マジョリカ島特産のマジョリカ陶器のようにカラフルで明るい色調なのでマジョリカお召と名づけられました。経済復興も軌道に乗り、明るさを取戻しつつあった世相と、 皇太子殿下御成婚という華やかムードにぴったりの商品で大衆の人気を呼びました。十日町は、昭和29年頃から 好況が続き、産地の主力商品に成長していました。しかし、ナベ底不況の影響で大きく落込み33年の産地生産額は、前年より二割も減退するほどの不振となりました。この市況不振を打開す るための模索の中から、34年に「マジョリカお召」というヒット商品が誕生したのです。 大手各社が競合する形で開発した「マジョリカお召」は、36年に山口芳一によって量産型のタテマジョリカが考案されて一段と値頃品になり、ブームを巻きおこしました。生産数量も34年 の三万反が三十五年には五万一千反、三十六年には十三万八千反、37年にはついに十八万反と驚異的な伸びを示し、33年に三十億円の産地生産が四年後には七十四億円に躍進しました。 その後、マジョリカブームは四年続きましたが、他産地の化合繊の交織が現われて市況は混乱し、生糸価格が三千六百円台から五千八百円台へと暴騰するという追い打ちにあって、このブーム も消え去り、産地は五割減産を決議せざるをえない危機的な状況に陥りました. |