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注:羽二重の種類
組織、糸使いにより種類があります。湿した緯糸を使用し、生糸で織り上げ、後に精練(汚れやセリシンなどを洗剤や薬品で洗い落とす工程)する後練り(あとねり)の絹織物のことで、純白で上品な光沢と柔らかな肌触りの良さに特色があります。
片羽二重
羽二重の規格で、より軽くする為、経糸を1本にしたものです。主に川俣の独壇場である軽目で、3匁羽二重以下の裏側が透き通ったカゲロウの羽根の様な羽二重をいいます。
羽二重(諸もろ)
片羽に対して普通の羽二重の事です。諸羽の羽二重を意味します。
基準規格で、目方により軽目、中目、重目に分れる。
綾羽二重
綾組織で織り上げた羽二重。朱子(しゅす)羽二重もあります。
塩瀬羽二重
経糸を密にして、太い緯糸を打ち込み、よこ畝(うね)をだした厚手の織物で、主に帯地に使われます。
紋羽二重
紋織りにした羽二重。
広幅の輸出羽二重
規格がインチ、ヤード、ポンドの寸法に変更したもの。表示は日本の匁を英字にしました。

注:羽二重の用途
上品な光沢で、風合いと肌触りがよく、着物の裏地に利用されます。
・重目(おもめ)・・・黒に染め上げ紋付。帯地。白小袖。着尺。石持ち。留袖の比翼地。胴裏地。色無地・友禅染めで羽織りの裏地。相撲の帯。布団寝具用品、他
・中目(なかめ)・・・胴裏地。半衿。兵児帯。羽裏地。ブラウス。スカーフ。長襦袢地。八掛け洋装品用。他
・軽目(かるめ)・・・衣料・服飾 

注:関連事項
1)匁(もんめ)
羽二重の商取引に使用される重さの単位1匁=3.75g  
1貫=1000匁=3.75Kg 世界に通用する日本の重さの単位。真珠と生糸と絹織物に適用されています。(尺貫法が廃止になっても匁は特例として認められています。(記号はmom)宋代以降の中国では、唐時代の通貨(開元通宝)の重さが質量の基準単位でした。その貨幣とともに、質量の単位として日本にも伝わりました。日本では1文銭の目方。江戸時代まで、匁、文目、銭(せん)として使用していたが、明治になって、銭が貨幣の単位となったので、目方の単位を匁(もんめ)に統一された。現在の「五円硬貨」の重さが、1匁(3.75g)です。
2)目付け(めつけ)について
正式には、匁目付け(もんめつけ)といいます。幅は鯨1寸(3.79cm)、長さは鯨6丈(22.73m)600平方寸(8,608.6c㎡)の練り上がり絹織物の目方(重さ)を匁であらわしたものです。
(例)10匁とは 600平方寸あたり37.5gある練り上がり絹織物のこと。600平方寸あたり6匁(22.5g)以下を軽目(かるめ)、6匁以上14匁以下を中目(なかめ)、14匁(52.5g)以上を重目(おもめ)といいます。
輸出の盛んな頃は、軽目といえば川俣産地を指し、中目といえば北陸産地を指し、重目といえば丹後産地を指す言葉でした。
3)生糸の太さの単位(d・・・デニール)
9000mで1gある糸を1d(デニール)といいます。
長さが一定(9000m)で糸が太くなるほど数字が大きくなるので恒長式といいます。生糸は、天然繊維なので糸自体に重さのムラがあります。よって、おおよその太さと大部分をしめる太さを表示するので、”中”を使うことが決まりです。
「21中」とは「9000mある生糸で、17g~24gの範囲のばらつきがあり、21gが大部分をしめ、おおよそ21dである。」を表します。
4)番手
840ヤード(768m)で1ポンド(453.6g)ある糸を1番手と呼びます。重さが一定(1ポンド)で糸が細くなるほど数字が大きくなるので、恒重式といいます。主に綿糸、毛糸に使用されます。