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注:檳榔子 ヤシ科の常緑木で、マレーシア原産ですが渡来は古く、奈良時代には薬用として使用され、南北朝時代からは、染色に利用されるようになりました。
注憲法黒・・・吉岡憲法 創案の黒茶色の染色名 鉄釘を火で焼き、木酢や米酢と米を合わせて腐敗させ酸性の液体を作り、鉄分を多く含んだ京都の水を媒染剤として染色をさせます。酸性の液体が 薄茶色を発色させ、鉄分がこげ茶に近い 黒色に発色させます。 注:檳榔子黒・・・黒の染色の色名 注:濡色・濡烏色・・・黒い烏が雨に濡れると真っ黒に見えることから「濡烏」と呼ばれるようになった。 注:藍墨茶(あいすみちゃ)・・・藍の色合いを含んだ黒色 大島紬の黒(泥染め)は、泥染め手法で染色されます。 泥染めは、世界中で奄美大島だけでおこなわれている天然の染色方法です。その染色方法 は、たんぱく質が主流の絹糸の上に、シャリンバイ(バラ科の植物)に含まれているタンニン酸色素と泥田の中の鉄分(酸化第2鉄)等が化学的に 結合して染色し、色落ちしない深く光沢のある渋い黒色に染まることです。 ・織機で織る要領で絹糸を木綿で挟み込み、防染(絣締め)する。 ・シャリンバイ(ティーチギ)の樹皮を煮出した汁により色を染める「テーチ木染」シャリ ンバイには、タンニン酸が含まれているので茶色に染色 されます。この染色を何度も繰り返す事で濃い茶色に染まります。 ・鉄分の多い泥土につけて発色させる「泥染め」を何度も行う。 に大別し、何度もテーチ染と泥染めを繰り返し、テーチ木に含まれるタンニンと泥中の鉄分の反応をさせ、 大島紬ならではの黒褐色を生み出します。 染まりが悪くなると、染色用の泥田に蘇鉄の葉を入れて鉄分を補い、化学的作用を強くします。 このような泥染め手法は、沖縄の久米島紬・八丈島の鳶八丈があります。 注:黒八丈(椎の木染) 椎木の皮を剥ぎ、煮詰めて染料を作ります。実際のふし付けは40回で、樽に絹糸を沢庵を漬けるように平らに並べます。その上に熱湯になっ た椎の木の煮汁をひたひたになるほど掛け、その上に、糸を互い違いに載せます。一回ごとに椎の皮を代え、煮汁を作り、染めると言うこの工程を 40回繰り返し、最後に八丈島の泥田(鉄分が入っている)から持ってきた泥水に漬け込んで色止めをし、仕上げます。 注:鳶八丈(タブの木) 鳶八丈と言われる樺色は、タブの木の皮で染料をとり色付けされます。 染色工程は、黒八丈と同じ。工程を25回繰り返し、最後に染料に使った木の皮を焼いて灰汁をとりこれに糸をつけると鳶八丈の色が仕上がるのです。 |