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絹についての概略 |
絹(きぬ)は、蚕の繭からとった天然の繊維で英語ではシルク(silk)という。独特の光沢を持ち、古来より珍重されている。その主成分は、蚕が体内で作り出す「たんぱく質・フィブロイン」です。 蚕の繭から抽出された極細の糸を数本揃え、繰り糸の状態にしたままの絹糸を生糸(きいと)という。これに対して生糸をアルカリ性の薬品(石鹸・灰汁・曹達など)で精練し、セリシンという膠質成分を 取り除き、より光沢や柔軟さを加えた絹糸を練糸(ねりいと)という。また、養産して作る繭を使う「家蚕絹」と野性の繭を使う「野蚕絹」に分類され、1個の繭から約800〜1,200mの糸が取れる事から天 然繊維の中で唯一の「長繊維」とも言われている。絹の布をこすり合わせると「キュッキュッ」と音がする事を「絹鳴り」という。この音は、繊維断面の形が三角形に近く、こすり合わせた時に繊維が引っ かかり合うためで、凹凸のないナイロン繊維ではこの音は出ません。 絹の発祥は、紀元前2460年頃と言われています。中国の黄帝の王妃・西陵が、お湯の中に繭(まゆ)を落としてしまい、それを箸で拾い上げようとした時に箸に糸が巻きついて来たのが絹糸の発見と伝 えられています。この糸を織物にして西方諸国に輸出するため、西安(長安)とトルコのアンタキアを結ぶ7000キロの道が繋がりました。この道を「シルクロード」と呼んでいます。当時のカイコから 糸を製法する技術は、中国国内で門外不出とされ、織物の重さと同じ金と交換されていました。中国以外で養蚕が始まったのは6世紀頃と言われています。日本には、弥生時代に朝鮮半島から伝わり明治時 代に著しい発展を遂げました。 主な原産地としては、中国とインドと日本(群馬県、福井県、長野県 等)です。それらの原産地の絹の特性は 中国 ・・・・ 一般的に使用されている。光沢感がある。やわらかさが非常に良い。 インド ・・・・ 多少の黄ばみがある。光沢感がある。やや硬いものも多い。 日本 ・・・・ 一般的に使用されている。表面の光沢感がある。やわらかさが非常に良い。地方により透き通るような緑色のものがある。 絹とは 1)生糸は、おもに家蚕糸(かさんし)です。 蚕蛾(かいこが)の造った繭を煮て、解いて糸にしたもの。 5〜6粒で14中と呼びます。 7〜8粒で21中と呼びます。 9〜10粒で28中と呼びます。 繭1粒の重さ、2.0g〜2.3g 採取する糸長は、約1000m〜1300m 糸1本の太さは、2〜3d(デニール) |