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サイザルアサ キジカクシ科リュウゼツラン属の植物で、ロープなどに使う繊維です。アサの仲間では有りませんが、歴史的に最も使われてきた繊維である麻にちなんで「サイザルアサ」と名付けられました。 19世紀にサイザルアサの栽培は世界中に広がり、現在ではフロリダ・カリブ諸島・ブラジル・タンザニアを中心とするアフリカ各国、アジアなどで栽培されています。 黄 麻 コウマ(黄麻)は、中国原産といわれている一年生草本で、麻袋などの粗布に広く利用され、強く紡績しやすい植物性の靱皮繊維です。別名をジュート(Jute)、インド麻、和名をツナソ(綱麻) と言います。 熱帯や亜熱帯に生育し、繊維をとる目的で栽培され、インド・バングラデシュが主な生産地です。主に繊維製品は、ジュートと呼んでいます。 繊維は茎から採取しますが、水に浸し て醗酵させるため繊維生産には大量の水が必要となります。黄麻は、100日ほどで生長し、2mから3mに伸び、開花の後、球形の果実をつけます。栽培は、冬終わりから春に種を捲き、夏初めから半 ばにかけて収穫します。花をつけてから実がつくまでのどの時期に刈り取るかにより、取れる繊維の質が左右されます。(一般に花が終わった時期に収穫したものが良質の繊維となります) また、 日本では九州で栽培され、大和織り(やまとおり)に利用します。大和織は、太い木綿糸をたて糸、黄麻糸をよこ糸として平織りにし、厚い織物や敷物として利用します。また、黄麻糸は、黄麻の 茎の皮から紡いで作った糸で南京袋(なんきんぶくろ)や縄などに用いられます。 パイナップル 葉から繊維を採って利用します。繊維は、白色強靭・絹糸状・長さ38cm-90cmです。採取率は、通常2-3%に過ぎませんが、この繊維で織った布は手触りが麻に似て紗のように薄く、フィリピンや太 平洋のマリアナ諸島 ではピンヤ・クローズと呼び礼服を仕立てる習慣があります。 繊維を採る目的でパイナップルを栽培する場合には、日光を制限して密植し、果実は若い間に取り去ります。フィ リピンでは、16世紀より独特の絹のような光沢と清涼感ある“Pina”(ピーニャ) と呼ばれるパイナップルの布が手作りで生産されています。ピーニャは、フィリピンの伝統織物で、パイナップル の葉から繊維を取りだし、細い糸にしたものを手で織ります。織物となったピーニャは性質 上機械刺繍ができないため、一針一針手で刺繍を施します。繊細なピーニャは、その優雅さからフィリピンでは クイーン・オブ・ファブリックと呼ばれ、シルクよりも高級素材として尊ばれています。フィリ ピンの正装とされるバロン・タガログや、ウエディングガウンにも使用されます。 |