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天日鷲命は麻・穀(かぢ)・粟・五穀の種を携えておられたそうです。「麻を植え、
神と国に仕えなさい」と言い、忌部氏によって重要な役割を担ってきました。そして、天皇陛下が即位される大嘗祭麁服「あらたえ」は、嘗祭
でお召しになる儀式の衣です。阿波忌部の末裔である三木家によってのみ、麁服「あらたえ」を作ることが許されています。古代より「麁服(
あらたえ)とは、「麁服(あらたえ)とは、阿波忌部直系氏人の御殿人(みあらかんど) が、天皇陛下が即位後、初めて行う践祚大嘗祭の時に
のみ調製し・ 調進(供納)する「大麻の織物」を云います。阿波忌部直系氏人の御殿人(みあらかんど)は、古代では阿波忌部氏の中から指名
されていましたが、鎌倉時代からは、 御殿人の家筋は、三木家に固定化されることになりました。 注:栽培と加工 ・播種期 春に整地と施肥を行い、種まき後寒冷紗をかけます。麻は、1週間ほどで発芽します。10cmほど伸びた頃に、本数や間隔をそろえるため に1回目の間引きをし、下土寄せをします。30cmほどに伸びた頃に2回目の間引きを行います。 ・収穫期 7月下旬に「麻こぎ」を行います。麻こぎは、まずコキソ(屑麻)・シタソ(短麻)・ボウタ(太麻)を抜き取り、次いでニカイソ(中 麻)・ホイソ(長麻)を上部の葉をつかんで強く引き抜きます。その後、等級ごとに麻切り鎌を使い「根切り」「葉切り」を行い、束ねて一定の 長さ(190cm)に切りそろえます。 一定の長さに揃えたものを、麻の組織を丈夫にする・害虫を殺すために麻釜で煮ます。その後、一週間から十日間天日で干し、カビ防止のた めに再度、麻煮と麻干しを行い、乾燥した状態で保管します。栃木では「硫黄で燻す(精麻の着色・脱色)」作業も行います。 行う。 ・加工 8月下旬、麻煮して乾燥させた麻を一日で麻挽きが出来る分量だけネド入れを行う。 これは、麻を発酵させ皮が剥げるようにする作業で、麻舟(おぶね)に水を入れ、朝夕2回水を浸してから横に寝かせて、コモ等を掛けて熱 が逃げないようにして発酵を促す。 ・乾燥 「麻はぎ」をして麻挽き台の上に乗せ、「麻かき」にて表皮を取り除きます。 そして「精麻」します。麻挽きの前は、茶色の繊維は、「麻挽き」で繊維のクズを取り除くと、繊維が金色の糸となります。 麻はぎしたものを麻挽き台に乗せ、麻(お)かきと呼ばれる道具で表皮(不純物)を取り除く作業を麻挽きという。麻を引いて黄金色に仕上 がったものを4枚ずつ8枚合わせて一結び(これを、ひとかけと呼ぶ)にして、竹竿にかけて2〜3日陰干しにして「精麻」となる。 |