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竹筬研究会のこれから

・一番の問題は、竹筬の製作者が途絶え、産地への供給が出来なくなったことです。多くの産地で調達上の支障が生じています。この様な産地の洗い出しをします。
・伝統的工芸品の職人は自立性が高いのに対し、筬屋は巨大な織物(製織)産業の中に組み込まれた末端の職業として自立性が低いのです。つまり、近代製造産業を下支えしている高い技術・技能を要する職人でありながら職人としては評価の対象に浮かび上がりません。そして、織物業の衰退によって受ける影響は非常に大きいのです。
・竹筬の製作や販売に関わる供給業者へのアンケート調査によれば、「取引量が少ないこと」が一番の問題だと答えています。
・竹筬職人の育成は、4~5年前から日本竹筬技術保存研究会(竹筬研究会)が取り組んでいます。現在では、実用化レベルの竹筬羽を製作できる後継者候補が複数います。しかし、竹筬は特定の寸法のみしか製作出来ないという事では産地のニーズに応えられないという難点があります。よって、産地からの注文に応じて、どんな密度の竹筬も製作出来る技術が求められます。然し残念な事に難点を克服する職人が育つには至っていません。そこで、現在研修中の若手が一人前になり、生活も確保されるシステムが構築を目指しております。