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撚糸(ねんし)


撚糸は、「糸に撚りをかける事」または「撚りをかけた糸」の事を言います。
「撚る」とは、「ねじりあわせる」事です。
糸に撚りをかける事は、糸自体または糸を使って作られる繊維製品 等にとって重要な役割を持っています。そして、撚りをかける回数を変えたり、太さの異なる2本の糸を撚り合わせたり、一度撚りをかけた糸を、何本かそろえて逆方向に回転させて一本の糸にしたり 等を行うことで、その糸で作られる生地の風あい、肌ざわり、丈夫さなどが全く異なるという効果を生み出します。そして、各種の織物に対応する撚糸機械を使い分け、それぞれの特徴を生かした撚糸を行います。また撚糸機は、張撚り式撚糸機・八丁式撚糸機など伝統的な機械とイタリー式撚糸機・リング式撚糸機など洋式撚糸機に分類されます。例えば、糸を精錬し、染色した後に、製織する先染め織物は、撚糸が必要です。撚糸は、このような簡単な目的の為に行われました。(駒による駒撚りも和楽器の弦の世界では残っています。)

例えば生糸
長繊維である生糸は、撚りをかけなくても使用できます。撚りのかからない生糸の生糸原糸で製織し、布の状態で精錬したのが羽二重です。また、目的の織物に合わせ「製糸原糸」を合糸し、糸の扱いを容易にするために合糸する事で織物の風合いや地風が出ます。然しながら、何本かの糸を束ねるだけではバラバラになり扱い難くなります。そこで、生糸の束に軽い「撚り」をかける事で、丈夫な1本の糸として使用出来る様にします。
繭1粒の重さ 2.0g~2.3で 
採取する糸長は 
約1,000m~1,300m  糸1本の太さ 2~3d(デニール)
となります。

注:デニールとは
絹等のフィラメント糸は、長さを基準とした恒長式の「デニール」という単位で糸の太さを表示します。450メートルの長さを取った時、0.05グラムの重さがある糸を1デニールといいます。よって、9000メートルで1グラムの重さのある糸が1デニールという事になります。9000メートルで21グラムの糸は21デニールという事になります。
生糸取引では、21デニールの糸は21中と呼ばれ、デニールの代わりに「中(ナカ)」を太さの単位に使用しています。