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2018年度報告まとめ    会長 下村 輝 
平成29年10月に「竹筬製作」が選定保存技術に選定され、竹筬研究会がその保存団体として認定され、 今までの技術伝承から、染織の世界において、機(ハタ)のなくてはならない重要な部品、用具としての竹筬を提供する事を求められ、期待される団体になったと思います。
研究会設立から約15年、一つの技術習得に10年と言われている業種で、まだ試作竹筬というかたちではありますが、約80名の皆様に竹筬を製作し提供して、試織を依頼し、 竹筬の完成度の試験をお願いし、その結果発表の場として竹筬展を毎年開催しております。現在、試作竹筬の竹筬羽を製作提供できる会員は3名前後、専業ではありませんの で、製作筬羽の枚数は限られ、試作竹筬の製作枚数も限られます。そこで認定後は三名の会員に限定して、筬羽製作に時間をさいていただき研修をサポートする制度を運用し ておりますが、仕事を持ちながらの時間外での自宅研修は大変と思いますし、まだ試作竹筬への筬羽提供には時間が必要と思います。
豊田義雄さんのみが実施されていた機械化部門、昨年、会の内で立ちあげ、まず「羽切り」から挑戦し、ほぼ完成しております。次は「羽揃え」や「金框」の改善を考えています。製作枚数や完成度、将来的に はコストを含めての竹筬製作という事になると思いますので、技術伝承はもちろん一番重要部門ですが、竹材確保とその加工、そして各部門の機械化も今後の課題だと思い ます。
今年度の竹筬展は染織産地の中心地、京都を計画しています。         4月6日記